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学会について

​学会について(その理念)

 アジア民族造形学会の目的は、「アジアの人々の暮らしに関わる“こころ”と“かたち”の本質を究め、アジアの国内外会員相互の交流を図る」であると、会則の第二条に述べられている。この目的に賛同して参加した者のみが会員になることが出来るのである。
 

  上の文章は簡単に見えるが、実はそうでもない。そこで、ここで少し解説しておきたい。これを読むと、「アジアの人々の暮らし」と書いてある。“アジア”とは何だろうか、どこだろうか。まず“アジア”とは、何か、どの地域かを決めておかなければならないだろう。
 

 それには、“アジア”に対峙する観念としての“ヨーロッパ”を考える必要がある。“ヨーロッパ”は、ギリシァ神話の女神エウロペの名に由来する。ギリシア神話に基づいて紀元前5世紀の歴史家ヘロドトスが「ヒストリア(歴史)」で使い一般に知られるようになった。
 

 へロドトスは、エーゲ海から西に広がる地域をヨーロッパと称し、それ以外の地域、ボスポラス海峡とヘレスポントス(ダーダネス海峡)から以東を“アジア”と呼んだ。つまり“アジア”とはヨーロッパではない全ユーラシア大陸を指すのである。これは、時代を経て今でも陸上競技やサッカーなどのスポーツでアジア大会という時などの地域割りにも生きている。

 本学会の創立者金子量重氏の「世界初色分アジア全図」もおおむねこの地域に沿って地図を描いている。だが仔細に眺めると、画一的に地域を分けるのもなかなか難しいことが分かる。例えば一例を挙げても東北アジアという区分にロシアはぼかしてあるし、チベットや新疆ウイグル地区も入っている。これは未知の世界をアジアとした初期の事情によるものだけではなく、現代の国家の境界線を基準に区分けしたからなのだ。
 

 ユーラシア大陸の“ヨーロッパ”以外の地域はすべて“アジア”と定義されるので、アジアはあまりにも広い。そこで、「アジア民族造形学会」でいう“アジア”は、大まかに日本を含む極東、東南アジア、南アジアを指す、と考えたらよいのではないかと思う。それは国立九州博物館の金子量重記念室や韓国国立博物館の金子量重資料館の展示物の地域範囲にも合致するからである。


 次に“かたち”についての定義であるが、会則では眼、耳、鼻、舌、身、意の6種の認識器官の対象となる色、声、香、味、触、法の6種の認識領域を“かたち”と捉えている。分かり易く言うと、絵や道具や布や陶器などおおよそすべての形のあるものや、その他の形はないが音楽や匂いや味など五感で感じられるものを「造形」と定義している。

 

 以上を考えると、本会の活動として私たち会員が行わなくてはならないことが自から分る。昨今、生涯教育と言う言葉をよく聞く。生れ落ちて死に果てるまで一生教育ということであろう。幼児教室や中高年者のカルチャー教室なども盛んだ。生まれた時から死ぬまで一生自分の興味のあるものを勉強し、追及する人が多く現れてきた。民間研究所なども大学の研究所と比肩できるような優れた研究を生み出すところも出始めた。

 アジア民族造形学会は、日本学術会議の協力研究学会に登録されている。しかし、本会に入会した以上は、会員はすべて平等である。自分の興味ある対象が、趣味であれ、道楽であれ、学科であれ、構わないが、ただひたすらに探究する姿勢を失わなければそれでよい。それが会員資格の必須要件である。
 

 今は、学術と認められていない興味の対象も究めることによって学術になるかもしれない。本学会で同好の仲間を見つけ、小さな研究グループをいくつも作り、新しい学術分野を作り上げていく。この過程を通じて日本の学術の発展に寄与したいというのが願いだ。

学会の目的

学会の目的
本学会はアジアの人々の暮らしに関わる“こころ”と“かたち”の本質を究め、アジアの様々な民族文化への理解と国内外会員相互の交流を図る。

学会の行う事業:

  1. アジアにおける様々な民族の文化と造形の探求及び研究成果の発表

  2. 展覧会、ポスターセッションの開催並びにグループ活動等の推進と活性化

  3. 講座及び講習会、見学会の開催

  4. 学会誌及びその他刊行物の出版

  5. 会員相互の情報の交換及び共同研究、並びにグループ活動等の推進と活性化

活動履歴

活動履歴

​大会記録 since1996

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山本悦夫2019 基調講演
「鳥と蛇を追ってー鳥と蛇の神話」

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